「着床前診断」を知っていますか?
まだまだ世間では知らない方が大多数を占めていることと思います。
この記事では、31歳で1人目の長男を体外受精にて妊娠・出産、36歳で2人目の次男を顕微授精にて妊娠・出産した筆者の体験をもとに、着床前診断のあり方について考えています。
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目次
着床前診断は命の選別?本当に必要か!?
着床前診断については、多くの専門家のあいだで現在も議論が続いているようです。
海外ではあたり前になっている検査でも、「日本では命の選別をしている」という考えから、あまりよく思わない方もいます。
着床前診断とは?
子宮に移植する前の受精卵を検査して、染色体の異常を調べる検査です。
染色体の異常を調べることで、異常のない受精卵を選んで移植できるので、着床率をあげることができるのと同時に、ダウン症などのリスクを軽減することができます。
着床前診断のメリット
メリットは、前述したように移植前に遺伝子の検査を行うことで、遺伝子異常のない受精卵のみを移植できます。
そのため、着床率をあげることができ、ダウン症などのリスクを軽減できることができます。
この検査をすることで事前に性別もわかりますが、性別の産み分けを希望することはできません。
着床前診断のデメリット
最近は、日本でもだいぶ認可されてきたようですが、まだまだ行っている病院が少ないです。
費用もかかってしまいます。
また、検査の結果すべての受精卵に異常が見つかった場合、移植ができなくなってしまいます。
再び最初から採卵を行う覚悟も必要です。
実際に体験した私が思うこと
兄弟のために行ってほしい検査
私は、次男の受精卵を着床前診断をしています。先生からこの話を聞いたとき、はじめはためらっていました。理由は、お金がかかることや今までこの日と決めて頑張ってきた移植をする日を延ばしたくないからでした。
しかし、先生にも看護師さんにも「2人目なら絶対にやるべきだ」と強く言われました。
世間に漂う障がいを受け入れられない現実
「兄弟がいないなら、まだいい。だけど、障がいのある子が生まれて一番苦労をするのはお兄ちゃんだよ」と。
「いくら綺麗事を並べても、世間の障がいに対する偏見は大きい。もし障がいのある子が生まれて、両親が亡くなったあとに面倒を見るのはお兄ちゃん。結婚だってできないかもしれない」
私は、この言葉を聞いたときに迷いやためらいは一切なくなりました。
そして、ためらっていた自分が嘘のように、「やってください!お願いします。」と言えました。
実際にやってみた私の考え
子供を下ろす選択をできるのか!?
私は、必要な検査だと思います。
現在では、産む前に遺伝子異常が分かる出生前検査があたり前に行われるようになってきました。
しかし、それは母体にも負担がかかります。もし、異常が見つかったときに下ろすことを選択できる方は少ないと思います。
着床前診断を受けてほしい!
だからこそ、着床前診断を受けてほしい!母親は、妊娠がわかった時点でお母さんです。子供を下ろす選択をしても、身体も心も深く傷ついてしまいます。
着床する前にわかれば、移植しないという選択ができます。命の選別といいますが、現実的に障がいを持つ子供を育てることは本当に大変なことだと思うからです。
妊娠を望む夫婦の願いを叶えるために
私達は体外受精をしている時点で、もう既に命の選別をしています。
それをダメだと言ってしまえば、質のいい受精卵を移植して赤ちゃんができない夫婦が待望の妊娠を目指すことさえ叶わなくなってしまうのです。
私は、妊娠を望む夫婦の願いを叶えるために必要な検査だと思っています。
〈参考資料〉
着床前診断を知ることから始めよう!
この記事は、私の着床前診断の体験をまとめたものです。
障がいを持つ子供を批判するものではありません。
障がいを抱えながらも希望を持って、一生懸命に生きている方はたくさんいます。
誰もが互いの立場を知った上で寄り添うことができる偏見のない社会になればいいと思っています。
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